葬儀・法事・お悔やみの場面では、華美すぎず、清らかな印象の花が好まれます。
和の花には、落ち着いた佇まいや日本人の精神に寄り添うような美しさがあり、
大切な方への「感謝」と「祈り」を静かに伝えてくれます。
仏事にふさわしい“和の花”5選と花言葉
1. 菊(きく)
-
花言葉:高貴、真実、永遠の命
-
特徴:仏事の代表格。特に白菊は清らかなイメージがあり、お供え花として最も定番。
-
ポイント:丸く咲く小菊や大輪の輪菊など、品種によって雰囲気が変わります。
2. リンドウ(竜胆)
-
花言葉:悲しみに寄り添う、誠実な人柄
-
特徴:青紫の花が多く、故人への敬意と落ち着いた印象を与える。
-
ポイント:秋の法要にもよく使われ、主役にも引き立て役にもなれる花です。
3. キキョウ(桔梗)
-
花言葉:永遠の愛、変わらぬ心
-
特徴:星形の花が特徴的で、和の趣にあふれた美しさを持つ。
-
ポイント:初夏〜秋にかけての法要でよく用いられます。
4. ナデシコ(撫子)
-
花言葉:純愛、思慕、大和撫子
-
特徴:可憐な見た目とは裏腹に、強さや思いやりの象徴として親しまれている。
-
ポイント:淡い色合いを選べば、お悔やみの花にもふさわしい優しさが表現できます。
5. 山百合・鉄砲百合(※香りが控えめな品種)
-
花言葉:純潔、無垢、威厳
-
特徴:日本の自生種で、清らかな存在感が印象的。
-
注意点:ユリは香りが強い品種もあるため、控えめなものや蕾中心で選ぶと安心です。
仏事の花選びで気をつけたいポイント
避けた方がよい花
-
バラやアザミなどのトゲのある花:苦しみや争いを連想させるため不適切。
-
強い香りの花:ユリやスイートピーなどは、体調を崩す方もいるため注意。
-
毒性のある花:彼岸花など、美しくても仏事では避けられます。
色合いのマナー
-
基本は白・紫・淡いピンク・青など落ち着いた色合いがベース。
-
明るいビビッドカラーや赤・オレンジは避けた方が無難です。
供え方の基本
-
お仏壇や祭壇には左右対称に活けるのが基本スタイル
-
花器やラッピングも派手すぎないものを選ぶ(籠や落ち着いた色の陶器など)
おすすめのアレンジスタイル(初心者向け)
アレンジ例 | 使用花材 | 特徴 |
---|---|---|
仏花ブーケ(和風) | 白菊・リンドウ・ナデシコ・葉物 | 優しさと清浄感のある組み合わせ |
シンプル供花 | キキョウ・小菊・ユーカリ | 仏壇にも飾りやすいスリムな束 |
法事アレンジ | 輪菊・鉄砲百合・カスミソウ | 格式高い印象にまとまる定番スタイル |
おわりに
仏事やお悔やみの場に贈る花は、見た目の美しさ以上に、心のこもった選び方が大切です。
故人やご家族への敬意を表すためにも、落ち着いた和の花に祈りや感謝の気持ちを託してみてはいかがでしょうか。
形式だけでなく、心を込めて選んだ花は、きっと静かに寄り添ってくれることでしょう。
コメント